フォトカプラ(フォトトランジスタ)を使ってみる:PC817C

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さて今迄はトランジスタを使ってスイッチの仕組みで遊んでみましたが、異なる回路間では電気的に絶縁分離した方が安全だという事でフォトカプラ(今回はフォトトランジスタ)なるものを使ってみます。

フォトカプラやフォトトランジスタの存在は、私が電子工作をはじめるまで知らなかったのですが、、、

フォトカプラは発光ダイオードと受光ダイオードを向かい合わせて、光でON/OFFを伝達する仕組みなんだとか。

そしてフォトトランジスタは、受光ダイオードの代わりにトランジスタに受光させてトランジスタ動作をさせるものなんだとか。

いやはや半導体に光を当てると電気が生まれる事からして初耳でした。(ぇ

仕組みから言って、フォトカプラよりフォトトランジスタの方が沢山の電流を流せそうですね。

要するに、電線で繋がっているところを手旗信号みたいな感じで光で情報をやり取りするので、大電流が流れ込まない(絶縁)という事らしいです。

接続先の回路に落雷があって、大電流が流れ込まないとも限りませんからね(ぇ

横道に逸れますが、、じゃあ光を扱うLEDの類は、ガンガンに光を当てたら発電してくれるんだろうか

時間がある時に調べてみようと思います。

PC817C(メーカー不明)

さて今回届いたのはこれ。

uses_photocoupler01

謎のプラケースに入って送られてきました。

初見ですが、なんかこの青いゴムをブニュっと引っこ抜くと取り出せそう。

phototransistor_PC817C_01

取り出して刻印を見てみると、「PC817C 915J」とありました。

が、、よく見るとちょっと刻印の向きが違うものも、、、

phototransistor_PC817C_02

こちらは「PC817C Nats939」とあります。

勿論中国のサイトで購入しましたので、、、SHARP製の刻印とは全然違いますね

秋月電子通商 :PC817X3NSZ1B PDFデータシート

https://akizukidenshi.com/download/ds/sharp/PC817XxNSZ1B_j.pdf

SHARPのデータシートを見ると、PC817Cの末尾のCは品質表示のCで、10~20mA、CTR 200~400 とあるので、大体これに寄せたスペックなのではないかと。

CTRというのは変換効率の表示で、トランジスタと意味はほぼ一緒と思います。

CTR 200(%)なら、アノード・カソード間に5mA流すと、コレクタ・エミッタ間に200%の10mA通せる、みたいな。

しかしこの記号によって、CTR値がだいぶ違う様子。

200~400となっているCは比較的使いやすいかもしれない。

後ろの915JやNats939は多分生産年月や生産工場の表記だと思います。

絶縁耐性は5000Vとあります。

落雷には耐えられそうもありませんですた。

が、接続先の別回路がショートしたり等の際には絶縁を保ってくれそうな気がします。

その他、データシートにはVFの箇所があります。

VFはフォトトランジスタの中にある発光ダイオードを光らす為の規定電圧で、データによるとアノード・カソード間に20mA(IF)通した時、1.2V(最大1.4V)になるとかなんとか。

大体普通のLEDを光らせるのに2Vくらい必要ですが、多分フォトトランジスタの中にあるLEDはすごく小さくて薄い造りになってるから1.2Vくらいで光るんじゃないかと。

この辺はよくわかりませんけれど・・・

また、このデータシートには入力・出力の最大電流量は50mAとありますが、入力側の最大の耐圧(VFM)が書いてないですね。

こういうのはよくあるんですが・・・常識的に考えて普通のLEDの値よりかは小さいと思っておけばいい気がします。

とりあえずデータシートにある様に、1.2V(1.4V)で20mA流すつもりで計算すればいいかな。

(3.3V – 1.2V) / 0.02A = 105Ω

3.3VのGPIOだとあんまり抵抗要らないんスね・・・

もしコレクタ・エミッタ間の電流が足りなければもう少し抵抗を減らしてやればいいと思います。

そんなわけでまとめると、使い方は大体こんな感じ。

フォトカプラ(フォトトランジスタ) PC817 の使い方

・入力側のアノード・カソード間に電気を流してやると、出力側のエミッタ・コレクタ間が通電する。
・入力側回路と出力側回路は絶縁される。
・入力側の入力電圧は発光ダイオードを光らす仕組み上、1~2Vくらいまで。(不明:標準値の1.2Vでいいと思います。)

・入力側の電流 IFは、ICMの値とCTRによって調整(ICM 50mA CTR200% なら ICMの半分の25mAくらいまで、上限はIFMの50mA)
・出力側のコレクタ・エミッタ間の電流量ICはCTR値に幅があるので、IFの値での調整は難しい

トランジスタと比較して、この辺りをチェックしておけばいいと思います。

そうそう、ピンの並びですが、凹んでいる丸いマークがある所が1番ピンだそうで。

uses_photocoupler02

3番と4番の順番が違うじゃないかと思ったのですが、データシートではこの並びになってまして。

どうやらICの類は反時計回りにコの字型に折り返して数えるみたいですね。

勉強になるますた( ノД`)

4番がコレクタ、3番がエミッタという事でひとつ。

さてじゃ、折角なのでLEDでも繋いでちょっと光らせてみます。

uses_photocoupler03

乱暴な回路ですが・・・

「PC817C 915J」「PC817C Nats939」、2種類のフォトトランジスタを同時に試してみました。

uses_photocoupler04

並列にしたのでちょっと暗いですが、大体おんなじ明るさですね

面倒ですが個別に電流値をテスターで計ってみると、以下の様になりました。

PC817C Nats939PC817C 915J
IF18.87mA18.9mA
IC48.81mA48.6mA
CTR258.7%257.1%

刻印は違っていますが、殆ど同じ位のCTR値で一安心。

パッケージを見てチャイナクオリティなんて思ってごめんなさい。

まとめ

INとOUTが2セットあるフォトカプラやフォトトランジスタの類は、トランジスタよりも簡単かもしれませんね。

発光ダイオードを使っているので、入力は発光ダイオードのスペックに合わせて調整し、出力は規定の電流値までといった感じで使えばいいと思います。

出力側にフォトダイオードを使うのがフォトカプラ、トランジスタを使うのがフォトトランジスタ、MOS FETを使うのがフォトMOS FETと呼ぶ様で、ネーミングも割合判り易い感じになってます。

小電流のものであればあるほど高速動作し、大電流であればあるほどスイッチが遅くなるといった感じの様子。

今回使ってみたPC817は、出力側を強化したフォトトランジスタでしたが、一般的なトランジスタに比べて流せる電流の量が結構少ないですからパワーラインには今一つ足りない感じ。

電力線にはフォトトランジスタの大容量のものか、フォトMOSFET以上が必要だと思います。

この PC817C フォトカプラ(フォトトランジスタ)は、マイコン回りの電圧、電流値によくマッチしていて、その上結構お手頃価格ですので、大変使いやすいICになっていると思います。

あまり種類があるものでもなく汎用的な性能ですので、10個といわず100個くらい買っておいても良いかもしれませんね

大量購入の方がお安いですしおすし・・・( ノД`)

電子工作の類で絶縁が必要なシーンは結構あると思います。

どうせですからアレを全部このPC817Cに入れ替えてしまおうかと。。。